大切なモノは目に見えない
今年の夏、名古屋では平均最高気温が36.6℃に達し、観測史上最長となる記録的な猛暑が続きました。ようやく秋分の日を迎えて、日中はまだ暑いものの、朝晩は涼しい風が心地よい季節となりました。秋分の日といえば、昼と夜の長さのバランスがちょうど同じになる特別な日として知られています。
私たちの給排水設備の仕事においても、この「バランス」は欠かせません。水を届けることと、使った水をきちんと流すこと。その両方が釣り合ってこそ、皆さんが快適で安心できる生活が成り立ちます。
しかし、このバランスが崩れてしまうと、暮らしは一変します。たとえば、水を届ける給水だけが機能していても、使った水を流す排水が滞れば家の中は水浸しになります。逆に、排水だけが機能していても、給水がなければそもそも水を使うことができません。給水と排水の両方が正常に働いて初めて、私たちは水を当たり前のように使えます。
給水管の不具合により水の勢いが弱まり、シャワーなど不便に感じることもあります。さらに、排水管の傾きが不適切であれば水がスムーズに流れず、また水だけが先に流れてしまい、固形物が残ってしまうなど逆流や詰まりを引き起こす可能性があります。最悪の場合、シンクやトイレなどから汚水が溢れ出し、衛生面に深刻な問題を及ぼします。
こうした不具合は、ちょっとした施工ミスや設計ミスから生じることも少なくありません。小さな見えない不具合が大きな支障へとつながるため、私たち水道工事のプロである菅原設備は、暮らしの安心を左右する責任を自覚し、日々の工事に真剣に取り組んでおります。
私たちの仕事の多くは、完成すれば壁や床に隠れて見えなくなります。皆さんの目に触れることはほとんどありません。しかし、目に見えないからといって手を抜いてよいわけではありません。むしろ、見えないからこそ、暮らしの安全と快適さを左右する重要な箇所です。
サン=テグジュペリの『星の王子さま』に登場する有名な言葉に【たいせつなものは目に見えない】という言葉があります。この言葉は、物質的なものだけでなく、友情、愛情、感謝、思いやり、信頼といった目には見えないものの重要性を示しておりますが、配管の角度ひとつ、配管のルートひとつ、接着の確かさひとつ、その一つ一つが水の流れや排水のスムーズさに直結し、だからこそ皆さんの日々の生活が豊かになり、それが様々な感謝や、信頼につながると信じています。
これからも私たちは、一つひとつの現場で「見えない部分にこそ真心を込める」姿勢を大切にしながら、安心できる街づくりに取り組んでまいります。