災害級の大雨に備える!施設・建物の水害対策と水道設備の工夫

2025/06/26 日常 菅原設備

年々深刻化する集中豪雨。貴社施設の水道設備、備えは万全ですか?

近年、線状降水帯やゲリラ豪雨といった“想定外の大雨”が全国各地で発生し、工場・オフィス・集合住宅・商業施設などでも、設備被害や営業停止のリスクが現実のものとなっています。とくに水道設備においては、浸水や排水の逆流、ポンプ故障、排水不良など、事前に対策していない場合、大きな損害につながるケースも多くあります。

この記事では、水道設備工事を行う弊社の視点から、事業所・施設管理者向けの実践的な水害対策と設備の見直しポイントをご紹介します。

 

排水設備・給水設備の「雨対策」、見落としていませんか?

豪雨時に起こる水道設備トラブルの代表例として、以下のような事案が挙げられます
・駐車場・敷地内が排水できず浸水
・排水マスのオーバーフロー
・トイレや厨房設備の逆流
・屋外ポンプの故障による断水
・床下浸水による給排水配管への損傷
これらは一部を除き、【事前対策や設備の見直しでリスクを抑える】ことが可能です。

 

法人施設が検討すべき水害対策4選

(1) 逆流防止装置の設置・更新
大量の雨水で下水道が飽和状態になると、建物内の排水が逆流するリスクが高まります。マンションや店舗などでは、排水管に逆流防止弁を設置することで被害を防げます。特に地下階・1階テナントでは必須です。

(2) ポンプ設備の防水・制御盤の位置確認
ポンプ室や給水ブースが地階・屋外にある施設では、浸水によるポンプ停止や感電事故のリスクが存在します。構造的に防水盤への変更や、制御盤の位置を高所へ移す対策も有効です。

(3) 雨水排水マス・側溝の定期清掃
落ち葉・土砂などの堆積物で、排水能力が著しく低下するケースが多数報告されています。施設の管理者様には、梅雨前の定期清掃・高圧洗浄をおすすめしております。

(4) 止水板・簡易堤の活用
玄関・搬入口などに設置できる脱着式の止水板も法人施設では有効です。近年では、土のうの代替となる軽量・再利用可能な止水アイテムも登場しています。

 

近年実際にあった法人様の被害事例(抜粋)

・倉庫の荷捌きエリアで排水詰まり → 商品が水没、数百万円の損失
・飲食店舗で厨房排水の逆流 → 臨時休業・売上機会損失
・老人ホームでポンプ室浸水 → 給水停止・入居者避難対応発生
これらはいずれも「排水能力の不足・設備老朽化・点検不足」が重なった結果です。

 

水道インフラを“災害対応型”で考える時代

水道設備は日常では見えにくい部分が多く、気づかぬうちにリスクが潜んでいることも少なくありません。特に大雨や台風など自然災害が頻発する今、「いつも通り使えているから大丈夫」とは限らないという意識を持つことが重要です。

施設や設備の被害は、利用者や事業そのものに大きな影響を及ぼす可能性があります。日頃から設備の状態や構造を把握し、必要なメンテナンスや対策を“想定外の前”に行っておくことが、トラブル回避の第一歩になります。

これから本格化する梅雨や台風シーズンに備えて、各施設・事業所でもあらためて水回りの安全性を確認しておきましょう。